腕相撲のコツを考える

腕相撲のコツを考える

先日、中学生に合唱のコーチをしている男性に相談されました。
「女の子にまで腕相撲に負けてまうねん、なんとかしてよ~ド○えもーん
……僕は見た目以外はド○えもんじゃないですが、
いいかっこうしたいので一緒に対策を考えました。

男性は、
「テレビで見た手首を巻き込んで体ごと倒すような感じでしたんだけどなぁ」
と言います。
きっとその形が理想形の構えなのでしょう。
何でもそうですが、構えの中身が解ってないと良い構えも機能しないんですね。

①テコの原理を使う。
腕を伸ばして荷物を運ぶより、腕を曲げて体に寄せて運ぶ方が楽ですよね。
遠いのはシンドイ、近いのは楽。
ですので、手首を巻き込むのは、肘から手までの距離が短くなるという事です。
そして肘も伸ばさない様に出来るだけ曲げる(体が腕に引き寄せられる形になる)事です。
出来るだけ相手よりも、手から肘・手から体の距離を短くすることに努めます。

②絶対的筋力には勝てない。
女子中学生に勝つ為にオッサンが筋トレする必要は多分ないです。
が、もう負けられないので考えます。
腕を内に捻じる動きは、むね筋と肩甲骨の裏の筋肉(大胸筋中部・肩甲下筋)。
手首と肘を曲げるのは、腕の内側と力こぶ(前腕屈筋群、腕橈骨筋や上腕・上腕二頭筋)。
これらの筋肉を「筋力を向上する」というより、
「持ってる力をちゃんと機能させる」ようにしたいので、普段から疲れない程度に筋肉を使う事にします。

腕立て伏せ(手と手の幅を広く取る)
アームカール(適度なダンベルを持ち、肘→手首と出来るだけゆっくり曲げていく)
団扇あおぎ(肘を直角にし前に突き出し、二の腕を回転軸にしてあおぐ。20回ぐらいで肩らへんがだるくなる程度が良い)

③構えの意識を変える
当たり前かもしれませんが、どうしても握り合っている手に意識が集中してしまいます。
これではあまり力は出ません。
例えば、ジャムのビンのふたが開かない場合に、手首を動かすんじゃなくて、手首が動かない様に固めて、肘を動かすようにすると固いふたも開きます。
腕の関節は、強い力で動かすより強い力に耐えて固まってる方が得意。
小さい関節や部位を使うより大きな関節や部位を使う。
こういった事を頭に入れて腕を動かす練習をします。

握り合ってる手に意識しているのを手首を巻き込んだまま固めて、肘を使うように意識を持っていきます。手を落とすのでなく、台に着いたまま肘が上昇した結果、手が落ちていく感じです。
今度は、手首を巻き込み、肘を引き寄せるように曲げ固めたまま、肩を使うように意識を持っていきます。
さらに、手首、肘、肩関節もロックした状態で上半身を使うように意識を持っていきます。

こうしていくと、段々と前述した「テレビでよく見る理想の構え」に近づいたんじゃないでしょうか。

この①②③の3点を伝えて練習しました。
合唱をなさっている方は、体全体を楽器にしているので、普段から横隔膜の位置や動きも敏感に感じています。
体の使い方、腕の使い方の意識の仕方を伝えるとすぐに応じてもらえました。

結果、勝つことが出来ました!オッサンが中学生に。
、、、と情けない感じですが、
しかしこの男性、
普通に成人男性とも腕相撲で勝負ができるようになったと喜んいただけました。

よかった、よかった。

腕相撲

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